エリート外科医といいなり婚前同居
「あと、千波の大好きな〝お医者さんごっこ〟もな」
「そ、それは絶対にもうしませんっ……!」
プイっと彼に背を向け断固拒否したけれど、もしも本気の礼央さんに迫られたら断れるかどうか自信がない。
家政婦としてこの家に来てからずっと、私は彼のこうした甘い誘いを断れたためしがないのだ。
そんなことを思いながらそっぽを向いたままでいると、すぐそばに移動してきた礼央さんが私のウエストに腕を絡め、お得意の甘く掠れた低音でささやいた。
「……ならとりあえず、今もう一度抱いていい?」
「な、なんでそうなる――」
反論はキスでふさがれ、ベッドに再び沈んだ体はあっさり溶かされていく。
結局は彼のいいなりになってしまう自分に呆れながらも、こんなに幸福だからいいのだと開き直ることにして。
私は暗い海のようなシーツの波間に漂いながら、愛しい彼の背中に手を回すのだった。
FIN


