エリート外科医といいなり婚前同居

暁さんに心配され、改めて自分の服装をまじまじ見る。

掃除などの家事がしやすいようにと選んだ、お尻まで隠れるメンズライクなスウェットに、スリット入りのレギンス。

うーん、外では確かにちょっと寒いかもしれないな。私も一枚なにか羽織った方がいいかも。そう思った瞬間だった。

「上着持ってきた? なければ、俺のを貸すよ」

暁さんが当然のようにそんなことを言うので、私は慌ててしまう。

この人は、なぜ単なる家政婦に対してそんな優しさを向けてくるの……!?

「いえ、大丈夫です! ちゃんと持ってきたので!」

「そう?」

「はい! すぐ着てきます!」

私は自分の部屋に駆け込み、クローゼットから適当な黒のブルゾンを選ぶと、それを抱きしめてはぁ、と息をついた。

一緒に買い物に行くとか、寒くないかとか、上着を貸すとか……暁さんの言動が不思議すぎる……。

単に優しい人なのかな。上着の件は、彼の職業がお医者様だから、家政婦とはいえ風邪をひかせたくない、とか……?

考えても納得できる答えが見出せないまま、私は上着に袖を通して暁さんの元へ戻った。


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