エリート外科医といいなり婚前同居
「人……。あ、子どもの頃の友達とかですか?」
「……まぁ、そんな感じかな。俺を忘れてる人もいるみたいだけど」
そう言って、ふっ自嘲をこぼす暁さん。街灯の明かりに浮かんだその寂しげな横顔がとてもきれいで、なぜか胸がきゅっと締めつけられる。
誰だか知らないけど、薄情な友達がいたみたい。友達のことを忘れちゃうなんて、ひどい人……。
「忘れてても、仲が良かったなら、なにかのきっかけで思い出しますよ。きっと」
彼をなんとか励ましたくて、思わずそんなセリフが口から出た。
だけど、全く関係のない私にそんなこと言われても根拠も説得力もないかも……。
言ってからそう気が付いて、視線を足元に落として俯く。すると、突然彼が私の右手を握り、指を絡ませてぎゅっと繋いだ。
その瞬間ドキッと心臓が跳ね、思わず繋がれた手を凝視してしまう。
な、なにこれ……なんで、私と暁さん、手を繋いでいるの?
「あの……」
突然のことに、頭がついていかない。じわじわと頬に熱が集まり、困ったように彼を見上げたら、なぜか愛しげに細められた瞳と視線が合い、彼はこんな宣言をした。