エリート外科医といいなり婚前同居

「約束したはずだ。ここに住んで、俺を管理してくれるって」

「それは……そうですけど」

「だったら余計なことは考えずに、俺のそばにいて?」

暁さんの口調は優しげだったけれど、私にイエス以外の答えを言わせないような迫力があった。

絶対逆らえないご主人様の、甘い命令……。そんな思い付きが頭をかすめ、いやに胸が高鳴った。……ドМか、私。

「……わかりました」

それ以外の答えを口にするのが憚られ従順に頷くと、暁さんは組んでいた腕を解き、満足げに口角を上げた。

私がドМなら、彼はその真逆なのかも……。そう感じさせる不敵な笑みに、ドキドキはさらに加速した。

……やばい。暁さんの術中にまんまとハマっている。この人は私をからかって遊んでいるだけなんだってば!

荒ぶる心臓をなだめつつ自分に言い聞かせていると、暁さんが再び口を開く。



< 37 / 233 >

この作品をシェア

pagetop