雨宮社長の専属秘書は気苦労が絶えません
陽和「……本当に何もしてないんですよね?」
雨宮「する前に寝ただろ」
陽和「(す・る・ま・え!?)」
あ、でも確かにパンツは履いてました、と胸を撫で下ろす陽和。
雨宮「言っとくが、大変だったんだからな。酔っぱらって歌うわ、騒ぐわ、脱ぐわで、ほら見てみろ、ここに蹴りも入れられた」
陽和「え!本当ですか!?」
雨宮が「ここに」と言った首の辺りを覗き込む陽和。
すると、雨宮は「なぁーんてな」と意地悪そうに笑い、陽和の顔を片手で掴つかんだ。
両頬をぐっと押されたことで、唇がアヒルのように突きだす。
陽和「うう痛いいいい」
雨宮「酔った女の介抱をさせられたのは初めてだ」
陽和「すみませんんん」
雨宮「それは、反省してるのか?」
陽和「してますううう、ご迷惑をお掛けしましたあああ」
雨宮「いいか、これは貸しだからな」
陽和「わかりましたああ(から、早く離して)」
雨宮「じゃぁ、まずは朝ごはんにしよう。腹減って死にそうだ」
陽和(死にそうなのはこっちですー)
頬っぺた痛いし、社長の顔が近過ぎだし。
――と、その時、一瞬だけ何かを思い出したような気がした。
よく分からないけど、胸に引っかかるような感じ。
陽和「(なんだっけなぁ)」
雨宮から解放された陽和は、頬をさすりながらスマホを探す。
そんな陽和に気が付いたのか、雨宮は、
雨宮「連絡なら匠くんにしてるから大丈夫だ。社内会議で泊まりだと伝えてある」
それで匠が納得したかどうかは不明だけど。
なんだかんだ、雨宮は気が回る。
本来ならクビになってもおかしくない行動を取ってしまったのに、怒っていない雨宮に陽和は感謝しつつ、朝ごはんの準備に取り掛かった。
雨宮「あ、そうだ。今日の出張だけどな、」
陽和「今日は出張なんですか」
雨宮「ひよこ……スーパー秘書になると宣言したくせに、僕のスケジュールを把握してなさすぎだろ」
陽和「うう、すみません」
雨宮「北海道に1泊2日だ。今回は榊と2人で行くから、ひよこは休んでていいぞ」
陽和「え、そうなんですか」
雨宮「なんだ、寂しいのか」
挑発するような視線を投げる雨宮に、陽和は顔を赤くさせた。
陽和「そんなわけないじゃないですか!あー手の掛かる社長がいなくて楽できそうです」
雨宮「(手が掛かるのはどっちだ)苦笑」
雨宮「する前に寝ただろ」
陽和「(す・る・ま・え!?)」
あ、でも確かにパンツは履いてました、と胸を撫で下ろす陽和。
雨宮「言っとくが、大変だったんだからな。酔っぱらって歌うわ、騒ぐわ、脱ぐわで、ほら見てみろ、ここに蹴りも入れられた」
陽和「え!本当ですか!?」
雨宮が「ここに」と言った首の辺りを覗き込む陽和。
すると、雨宮は「なぁーんてな」と意地悪そうに笑い、陽和の顔を片手で掴つかんだ。
両頬をぐっと押されたことで、唇がアヒルのように突きだす。
陽和「うう痛いいいい」
雨宮「酔った女の介抱をさせられたのは初めてだ」
陽和「すみませんんん」
雨宮「それは、反省してるのか?」
陽和「してますううう、ご迷惑をお掛けしましたあああ」
雨宮「いいか、これは貸しだからな」
陽和「わかりましたああ(から、早く離して)」
雨宮「じゃぁ、まずは朝ごはんにしよう。腹減って死にそうだ」
陽和(死にそうなのはこっちですー)
頬っぺた痛いし、社長の顔が近過ぎだし。
――と、その時、一瞬だけ何かを思い出したような気がした。
よく分からないけど、胸に引っかかるような感じ。
陽和「(なんだっけなぁ)」
雨宮から解放された陽和は、頬をさすりながらスマホを探す。
そんな陽和に気が付いたのか、雨宮は、
雨宮「連絡なら匠くんにしてるから大丈夫だ。社内会議で泊まりだと伝えてある」
それで匠が納得したかどうかは不明だけど。
なんだかんだ、雨宮は気が回る。
本来ならクビになってもおかしくない行動を取ってしまったのに、怒っていない雨宮に陽和は感謝しつつ、朝ごはんの準備に取り掛かった。
雨宮「あ、そうだ。今日の出張だけどな、」
陽和「今日は出張なんですか」
雨宮「ひよこ……スーパー秘書になると宣言したくせに、僕のスケジュールを把握してなさすぎだろ」
陽和「うう、すみません」
雨宮「北海道に1泊2日だ。今回は榊と2人で行くから、ひよこは休んでていいぞ」
陽和「え、そうなんですか」
雨宮「なんだ、寂しいのか」
挑発するような視線を投げる雨宮に、陽和は顔を赤くさせた。
陽和「そんなわけないじゃないですか!あー手の掛かる社長がいなくて楽できそうです」
雨宮「(手が掛かるのはどっちだ)苦笑」