雨宮社長の専属秘書は気苦労が絶えません
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お腹が空いて死にそうだという雨宮に、陽和は呆れながらもご飯を作る。
その間、唯和と陸と匠はシアターテレビで映画を見ている。
雨宮「旨い!おかわり!」
陽和「どんだけ食べる気ですか? お腹壊しますよ」
雨宮「もう壊れたから大丈夫だ」
どうやら雨宮は北海道でお腹を壊し、帰ってきてから何も食べれずにいたため、空腹がピークになっていたらしい。
陽和「北海道のご飯がそんなに合わなかったんですか? 食べ物がおいしいって有名なのに」
雨宮「いや、旨いのは旨いんだが……なんだろうな、ひよこの飯に慣れたせいかな?」
美味しそうにご飯をかき込む雨宮に、陽和はドキドキする。
そんなことを言うなんて、ずるい。
陽和「単に生ものに当たってだけですよ、念のため整腸剤を飲んでくださいね」
雨宮「じゃぁ、あと1杯食べてから」
陽和「もうだめです! 熱は下がってないんだから腹八分目にしてください」
雨宮「ひよこのケチ」
陽和「ケチじゃないですよ、社長のことを思って言ってるんです!」
烈火のごとく怒りだす陽和を見て、雨宮は笑う。
そんな雨宮の元に唯和がやってきて、彼の服の裾を引っ張った。
ゆいゆい「おじちゃん、お腹いたいのぉ?」
雨宮「うん、ちょっとだけな」
ゆいゆい「いたいのいたいの飛んでいけ、してあげる!」
雨宮「お、それは嬉しいな」
ゆいゆい「あのねぇ、ゆいゆいもお腹いたいとき、ひぃたんがいつもしてくれるの」
雨宮「ひぃたん?」
ゆいゆい「ひよりお姉ちゃんのことだよぉ」
そう言った唯和は、雨宮の膝の上に乗り「いたいのいたいの~」と呪文を唱える。
その様子を嬉しそうに見つめる雨宮の顔が優しくて、その優しい顔のまま自分の方を向いた彼と目が合った陽和は、胸のドキドキを抑えきれず、クルリと背を向けた。