雨宮社長の専属秘書は気苦労が絶えません
〇AMAMIYAFOODS本社 秘書室(朝)
週明けの月曜日、いつものように雨宮のマンションに行き、その後、雨宮と榊と一緒に会社へ出勤した陽和は、朝の日課になっている植木の水やりをしている。
そんな彼女のもとへ、周りを気にするような素振りの立花が近づいてきた。
そして、背後から陽和に声を掛ける。
立花「おはよ」
陽和「――っ、びっくりしたぁ! おはようございます」
立花「びっくりしたのはこっちだよ。金曜日、急に帰っちゃうんだもん」
陽和「あぁ、あれは、時間が遅かったので」
立花「じゃぁ、さ、いつなら時間ある?」
陽和「えっ」
立花「2人で飲みの行こうっていったじゃん。いい店予約するからさ、予定おしえて」
陽和「それは、えーと」
困った様子の陽和。
それを社長室から見ていた雨宮が内線で彼女を呼んだ。
陽和が社長室に向かう間、雨宮はものすごい顔圧で立花を見ている。
立花「(えっ、俺、何かしたっけ……)」
陽和「失礼します、何かご入用ですか?」
雨宮「午後から商談がある。ひよこも同席してくれ」
陽和「かしこまりました」
頭を下げて、踵を返そうとする陽和。
それを「待て」と雨宮が止める。
雨宮「そのスカート短くないか?」
陽和「え、そうですか? いつもと一緒ですけど……」
雨宮「今日の商談相手は服装に厳しいんだ、もう少し裾が長いスカートにしてくれ」
陽和「じゃあ、昼休みに着替えてきます」
雨宮「いや、家まで戻るのは面倒だろ? これで買いに行ってこい」
そう言ってカードを取り出そうとする雨宮。
それを遮るように陽和を両手の平を突きだした。
陽和「そんな無駄遣いダメです」
雨宮「無駄じゃないだろ、必要経費だ」
陽和「そうですけど、とにかくダメです!商談の時間までには帰ってきますから」
雨宮「そのブラウスも派手だな」
陽和「え、普通だと思いますけど……」
雨宮「いや、もっと地味にしてくれ」