雨宮社長の専属秘書は気苦労が絶えません
木内が褒めたのは、陽和が提案したもので。
雨宮は陽和と2人でテイスティングした日のことを思い出す。
木内「あのパンは何だか懐かしい味がしてね」
雨宮「懐かしい?」
木内「昔、学生の頃に良く行ったパン屋を思い出す味でしたよ。なんていう名前のパン屋だったかなぁ」
雨宮「もしかして……花里パン」
木内「あぁ!そうそう!ご存知でしたか。あそこのパンは絶品だったのに、いつの間にか潰れちゃって。気の良いご主人と可愛らしい奥さんの2人でやってたんだけどねぇ」
雨宮「ご主人は確か亡くなられたとか」
木内「そうでしたか。いやぁ勿体ないなぁ、私のようなファンが多かったと思いますよ」
打ち合わせの帰り道、車を走らせる雨宮。
ふと、陽和の実家がある地域の標識を見つけハンドルを切る。
途中で車を停めて、徒歩で陽和の実家がある方に行くと”花里パン”の看板がそのまま残っていることに気が付いた。
雨宮「(あそこでひよこの両親はパン屋をやっていたのか)」
妄想の世界に入る。
まだパン屋が営業していて、陽和の父と母が店の中で忙しなく働いている。その周りをキャッキャ走る子供たちと、その子供を追いかける陽和。
しばらくそうして陽和の実家を眺めていた雨宮は何かを決意したように頷いた。
―――と。
スキップしながら歩いている和奏を見つける(面識はないが顔は調査報告の写真で知っていた)。
和奏が向かった先に、彼氏らしき男がいて。
微笑ましいなと思いながら眺めていたところ、その彼氏から少し離れたところでニヤニヤしながら屯している数名の男たちが和奏とその彼氏を見ていることに気が付いた。
嫌な予感がした雨宮はスマホを取り出し、どこかに電話を掛ける。
雨宮は陽和と2人でテイスティングした日のことを思い出す。
木内「あのパンは何だか懐かしい味がしてね」
雨宮「懐かしい?」
木内「昔、学生の頃に良く行ったパン屋を思い出す味でしたよ。なんていう名前のパン屋だったかなぁ」
雨宮「もしかして……花里パン」
木内「あぁ!そうそう!ご存知でしたか。あそこのパンは絶品だったのに、いつの間にか潰れちゃって。気の良いご主人と可愛らしい奥さんの2人でやってたんだけどねぇ」
雨宮「ご主人は確か亡くなられたとか」
木内「そうでしたか。いやぁ勿体ないなぁ、私のようなファンが多かったと思いますよ」
打ち合わせの帰り道、車を走らせる雨宮。
ふと、陽和の実家がある地域の標識を見つけハンドルを切る。
途中で車を停めて、徒歩で陽和の実家がある方に行くと”花里パン”の看板がそのまま残っていることに気が付いた。
雨宮「(あそこでひよこの両親はパン屋をやっていたのか)」
妄想の世界に入る。
まだパン屋が営業していて、陽和の父と母が店の中で忙しなく働いている。その周りをキャッキャ走る子供たちと、その子供を追いかける陽和。
しばらくそうして陽和の実家を眺めていた雨宮は何かを決意したように頷いた。
―――と。
スキップしながら歩いている和奏を見つける(面識はないが顔は調査報告の写真で知っていた)。
和奏が向かった先に、彼氏らしき男がいて。
微笑ましいなと思いながら眺めていたところ、その彼氏から少し離れたところでニヤニヤしながら屯している数名の男たちが和奏とその彼氏を見ていることに気が付いた。
嫌な予感がした雨宮はスマホを取り出し、どこかに電話を掛ける。