仁瀬くんは壊れてる
 舞台は小栗くんのアリスを筆頭に個性豊かなキャラと斜め上の展開に盛り上がりを見せた。

 カーテンコールで盛大な拍手をもらい、舞台袖に隠れる。


「うまくいったねー!」

 沙羅と、ハイタッチ。

「花、天ぷらアイス買いに行こ」
「玲二くんのところの!」

 でも、メイク落として衣装着替えなきゃだよね。

「撮影いいですかー?」

 控室に向かう途中、人に囲まれてしまった。

 一番人気は言わずもがなアリスだが、
「それじゃ、順番に並んで」
 ギャラリーの対応に慣れている小栗くん。

 ファンサービスが旺盛だ。

「あ、帽子屋!」
「二人並んで欲しいです」
「やりとりめちゃくちゃ笑えました」

 アリスとマッドハッターのコントのようなシーンが大ウケだったみたい。

 写真を撮っていると――
「ねえ、あのひと」
「……素敵」

 後方が、ざわつく。

「でも。あんなイケメン出てた?」
「違うよ、あのひとは二年の……」
「嘘! 留学から帰ってきたの?」

 二年? 留学?

「誰だよ。主役より目立ってる一般人って……」

 小栗くんが、振り返る。

 まさか。
 いや、でも、そんな――……

「花」
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