モンスターハンタールチフェル
 ただただその言葉だけが口から発せられる唯一の言葉だった。

「何千年も掛けてできた大自然による芸術なんでしょうね。これこそ大自然にしか見出せない美しさなんでしょう」

 アンは口を開けてただ見入っている三人に向かってそう説明を付け足した。

 それから四人はこの美しい氷の芸術を後にして、とりあえず外へと出る抜け道を探し出して駆け足で向かって行った。

「うっわぁあああ---」

 またしても四人は目に入ってきた光景に言葉を失ってしまったのだ。

 今度はなんと、かなり広い場所に出た。

 言うまでも無く当たり一面白銀の世界で、ポポが家族連れでここら辺に生えている『雪山草』という薬草を食べにやって来ていたのだ。

 だが驚いたのはそれだけではないのだ。

 そこから見える澄んだ夕闇に浮かぶ青い大きな月が、この雪で覆われた雪原を照らしていて、まるで海の中にいるような感覚を思わせるものだったのだ。
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