モンスターハンタールチフェル
 バキッ、バキバキッ…

 その錆びた龍は背中を盛り上げて、顔を下に向けたまま苦しそうにしながらそんな音を立てていた。

(う、ウソだろ!?)

 なんと錆びた龍の背中が背骨に沿ってパックリと割れたのだった。

 そして段々と割れ目が背筋どおりに割れると、今度は驚くほど真っ白な物が姿を現したのだった。

「脱皮?!」

 アレックたちは生まれて初めて龍の脱皮というもの目の当たりにしたのだった。

 それからもその龍は脱皮を続けて全身が抜け殻から抜けると、そこには月明かりに照らされて全身銀色に光り輝く、もう一つの月を思わせるような姿で、両翼を大きく広げて立っていた。

「…」

 これにはさすがに全員声を失ってしまう。

 この龍はまさしく美しい生物トップで決まりだろう。

「グゥゥゥ…」
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