加納欄の受難 シリーズ1 シーズン1
 大山先輩は、あたしの露になっている足をチラッと見て軽く咳払いをする。あたしも、そのことに気付いて恥ずかしくなり、慌てて師範から逃れようとした。

「いいところに、邪魔者登場ですか。欄、いいんですか?欲しい情報が聞けなくても」

「師範に聞くくらいなら、自分で探します!」

「・・・そうですか。残念ですね」

 師範は、そういうとあたしを大山先輩と向かい合わせに立たせ、あたしの背後に立った師範はあたしの首に腕を絡ませ締め上げた。

「うっ・・・!」

「欄!」


ク、クルシ・・・、息が・・・(>_<)


「欄!おい!やめろっ!」

 大山先輩がこっちに向かって走って来たところで、あたしの意識は無くなった・・・。




 目が覚めると、あたしは車の助手席に寝ていた。

 首を絞められたせいで頭が少しボ~っとしていた。

 運転席を見ると、大山先輩がタバコをふかしていた。

 あたしは、慌てて体を起こした。その途端に目眩をおこし体勢をくずした。

 大山先輩がとっさに倒れないように抱き止めてくれた。

「無理すんな」

「・・・すみません」

 大山先輩の顔が、間近にあって、慌てて顔を伏せる。

 大山先輩もまた座り直した。

「私。どうしたんですか?」

 記憶がイマイチ取り戻せないでいた。



あ!



師範!



「・・・あ、あの人は?」

「何者なんだよ」

 大山先輩に聞かれた。



ドキッ!




「知ってる奴なんだろ?」

 あたしは、無言になった。

「あの人は・・・」



師範は・・・。



 話す気にはなれなかった。

「・・・昔の男か」

「違います!そんなんじゃありません!」

 あたしは、速攻訂正した。

「・・・・・・中国にいた時の親代わりで、武術の師範です。それ以外何もないです」

「・・・それにしちゃ、随分大胆な事されてたじゃないか」

「そんなっ!好きでされたんじゃ!無理矢理っ・・・!」



ムリヤリ・・・(__)



 頭の中に記憶が、突き抜けた。




優しくて真面目な師範だったのに・・・。




 ある日を境に、師範は師範ではなくなった。

 あたしは、師範から逃げる為に、日本へ来た。




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