加納欄の受難 シリーズ1 シーズン1
 全て、あたしが知りたがっている内容を、師範は聞いていた。

 田崎は一瞬たじろいだが、あたしが聞こえなかったと思いだし、話し始めた。

「いやぁ、たいしたことはありせんよ」

「実際、あの写真の刑事、捕まったそうじゃないですか。黒龍会に拉致してたんじゃないんですか?なのに閉鎖もしないで偽の情報流して金だけ巻き上げていますよね」

「私は何にもしてませんよ。金と時間をもてあましてる奴らにただゲームを提供してあげただけですよ」

 あたしはピクッと体を反応させた。



黒龍会がサイトをしていた・・・。



 さらに、師範は話しを進めた。

「神田に運ばせたホテルの死体も黒龍会の人でしたよね?」



死体が黒龍会の奴!?



「あなたは、どこまで知っているのですかな。あまり腹を探られるのは、好きではないので」

 薄ら笑いを浮かべてはいたが、目付きは警戒心をまた取り戻した。

「いえいえ、ただ推理しただけで後は情報力ですよ」

「参りましたね。アイツは組を抜けようとして自分の身を守るために、高遠に話を持ちかけたんですよ。うちの痛手になる話をね」

「組員を殺して犯人にしたてようと、うまく拉致できてしまった刑事に濡れ衣をきせるつもりだったのに、逃げられたんですね」

「いやぁ、お恥ずかしい限りで。素人は使うものじゃないということを痛感しましたよ」

「アリバイが必要だったために、組員を使うことができなかったんですね。運ばせた奴等も金で雇った人達ですか?ついでに神田も口封じしたのですね」



なによ!



全部黒龍会がしくんだんじゃないっ(>_<)!



高遠先輩の命狙って、自分達が悪い事してるのに、更正しようとした組員を殺して!



高遠先輩に濡れ衣きせようとして!



ゆるせない!!



 田崎を睨み付け、ダッシュしようとした時だった。

「そこまでだっ!」

 大山先輩が、今にも崩れ落ちそうな鉄筋の上から、拳銃を構えてあたし達を見下ろしていた。

「動くなよぉ。少しでも動けば容赦なく撃つぞ。特に田崎、てめぇはな」

 田崎は、かなり動揺していた。

 ただ、それはあたしも同じで・・・。

 師範だけが涼しい顔をしていた。

「欄、大丈夫か?」


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