加納欄の受難 シリーズ1 シーズン1
 あたしが、アイツをしとめないといけないのに・・・。

 あたしは、チッと舌打ちをした。

 すると、突然あたしが狙っていた男が1発の銃声と共に落下した。



え?



大山先輩?



あの位置からは無理なはず・・・。



「こんな状況も打破できないんですか?さっきは30秒で2人倒したのに」

 声がして振り向くと、真後ろに師範がいた。

「(うわぁ~!)」

 反射的に師範の顔を殴っていた。

 師範は不意討ちをくらって体勢を崩した。

 その隙をついてあたしは、師範に馬乗りになった。

「(早く声を戻して下さい!何を企んでいるんですか!)」

 あたしは、声が出ていないのに怒鳴り付けた。

「企んでなんかいませんよ」



唇の動きを読んだな(-.-)



「今回の目的は最初から、欄・・・お前を捜しだすことだったんです」



!!!!!!



あたし?



「だから、わざわざ日本にまで来たんですよ。こんなに簡単に見つかるとは、驚きましたが、黒龍会に感謝してますよ、そのことについては」



・・・・・・。



 師範はあたしの動揺をすぐに見破り、あたしを押し倒し今度は師範が馬乗りになった。

「欄、命令です。私の元へ戻りなさい」

 あたしは、首を横に降った。

「ここに残る未練はなんですか」



未練って・・・。



 あたしの中では、師範とは絶縁状態で、2度と出逢うことはない存在だった。



師範のしたことは許されないことだし、許すつもりもない。



2度と逢いたく。



それに・・・。



それに・・・。



だって、ここは・・・。



ここには・・・。



あたしの目線が一瞬大山先輩のいる方向に流れる。

「本気なんですか?」



ドキッ!



 師範に聞かれた。

「傷ついていた欄に、ただ少し優しく接した事を愛情と勘違いしただけなんじゃないのですか?」



・・・・・・。



 あたしは、すぐに返事ができなかった。

 師範の瞳があまりにも真剣に見えて瞳に吸い込まれそうだった。

 あたしは、思わず顔を背けた。

「欄!」

 誰かがあたしを呼んだ。


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