加納欄の受難 シリーズ1 シーズン1
まさか!?



だって!



まだ、病院にいるはず!



 あたしは、無意識に声のする方へ顔を向ける。

 そこには。

 拳銃をこちらに向けた(正確には師範に向けた)高遠先輩が立っていた。

 師範はあたしを立たせると、高遠先輩の方へゆっくり向かせた瞬間に、ガツッと拳銃の持ち手のところであたしの首に降り下ろした。

 あたしは、ガクンッと崩れ落ち、高遠先輩も一瞬動けず、その隙をついて、師範は雲隠れした。

「欄!大丈夫か!?」

 と、言いながら高遠先輩はあたしを助け起こしてくれた。

 あたしは、殴られた首に手をあてながら。

「(大丈夫、です。私より、高遠先輩、の方こそ、大丈夫ですか?)」

 と、出ない声で答えた。

「(あ、すみません。師範、に、やられて、声が、出ないんです。もう少し、したら、戻るって、言ってたんですけど)」

 あたしは、高遠先輩の身体をペタペタ触った。

「俺は大丈夫だよ。それよりお前声どうした?出ないのか?」

 と、聞いてきた。

 コクンと頷いた。



あ!



 あたし、上に隠れてる奴片付けるんだった!


 ふと我に帰り、ワタワタと高遠先輩にジェスチャーを送り行こうとした。

「上にいた奴等なら俺が始末したよ」

 と、言ってくれた。



センパァイ~o(><)o



サスガデスゥ~(ノ><)ノ



 さらに、ハッと思い出す。

「(黒龍会!全部あいつらが仕組んだんですよ!高遠先輩を殺そうとしてたんです!情報を流されたくないからって!田崎は!?田崎もいたんですよ!私、全部聞きましたから!!)」

「欄」



高遠先輩(^^)!



わかってくれたんですね?!



 高遠先輩はあたしを真っ直ぐ見た。

「何言ってんのかわかんねぇ」



・・・ヤッパリ(-.-;)



「タカ!大丈夫なのか?」

 大山先輩が自分の仕事を片付けたらしく、あたし達の所まで来た。

「ああ、大丈夫だ。悪かったな」

 高遠先輩と大山先輩が、拳と拳を付き合わせた。

「ところで、欄は何で声が出ねえんだ?」

「風邪らしいぞ」



違いますって(>_<)


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