加納欄の受難 シリーズ1 シーズン1
「(だから、師範が!!そんなことより田崎は?)」



もぉ~!



もどかしぃぃぃぃ(>_<)



 1人で怒っていたら何台もの覆面車が戻って来た。

「おっ!うまくいったか?」

 大山先輩が、敬礼するかのように様子をうかがっていた。

「(大山先輩!何でそんなに悠長にしてられるんですか!田崎は?追いかけないと!タ・サ・キ!)」

 あたしは、大山先輩の袖を引っ張って、大きな口で、田崎と一文字づつ区切った。

「なんだよ。わ・た・し?」

 大山先輩はまるで見当違いだった。

「いやぁ、大山。お前の感が見事に当たったな」

 車の中から出てきたのは、鮎川さんだった。

 そして、反対のドアからは、吉井さんと、田崎だった。



え?



田崎?!



「おぉ!ビンゴじゃねぇか。さっすが俺の感」

 大山先輩は自分に自画自賛した。

 田崎をまた車に入れようとした時に、高遠先輩が吉井さんを呼んだ。

 吉井さんと田崎が高遠先輩を見た。

「そのゴキブリは俺が駆除するから」

 と、言った。

 吉井さんは親指を立てて、田崎を車に押し込んだ。

 あたし達用の車を1台残して、黒龍会の幹部達も忘れず署に連れて行ってくれた。



オワッタノ・・・?


解決シタノ・・・?


 あたしは、どうでもいい脱力感におそわれ足に力が入らなくなり、その場に崩れ落ちた。

「欄っ!」

 高遠先輩と大山先輩が、二人同時に叫び、あたしを支えてくれた。

「大丈夫かよ」



・・・大丈夫なわけナイですよ(>_<)



「んな情けない面してんなよ」



・・・モトモト、こんな面ですよ(-.-)



泣きそうだよ・・・。



よかった・・・。



二人とも無事で・・・(:_;)



 二人が、あたしの頭を軽くポンポンと叩く。

「仲良く再会のところ申し訳ないが、そろそろ時間なので、欄を連れて行きたいのだが」

 聞きなれた声がして、あたしと大山先輩が声のする方へ振り向いた。

 高遠先輩も確認する。

「あいつ」

 と、言ってさりげなくあたしをかばう形をとった。

 声の主は、師範だった。


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