加納欄の受難 シリーズ1 シーズン1
 師範があたしの唇の動きを読んだ。

「弱い者は弱い者同士で勝手に支え合えばいい。だが、欄まで一緒にいることはありません。お前は私の組織で働く為に武術を教えたのです」



何を言っているの・・・?



 師範はさらに続けた。

「お前は私の計画の一部なんですよ」

 師範の右手がスッと私に差し向けられた。

 高遠先輩も大山先輩も動けないで、ただ師範の言葉を顔を歪めながら聞いていた。

 あたしも体が硬直したかのように動けなかった。

「命令です。梅輕(バイカル)戻って来なさい」

 師範が、あたしの中国名で呼んだ。



あたしは、戻る気はない(-_-)

 

どうせ聞こえないなら・・・(>_<)



「(先輩が好きなの)」

 師範に向かって言った。

 唇の動きが読めてるはす。

 ただ、師範は黙って首を振った。

 あたしは、師範に向かって叫んだ。

「(あなたからは何一つ教えてもらわなかった、相手を思いやる心も、痛みを知る心も、先輩達が教えてくれたの。私に笑顔を取り戻してくれたのも大山先輩なの。師範からは武術を学んだけど、それ以外は何もない・・・。人の痛みを自分の痛みとして受け入れてくれる人なの。大山先輩が)好きなの!」



えっ?



あたし、声、出た?



普通にしゃべった?



センパイガスキ。



って、言っちゃった(@_@)



声に出してた?



 高遠先輩の顔をチラッと見た。

 驚いてる表情だった。

 大山先輩の顔が見れない。

 高遠先輩のこの表情からみて、あたし、きっと全部言っちゃってるよね・・・。



なんで、こういう時に話せるようになるの・・・?



必要な時は全然出なかったくせにぃ(>_<)



ミレナイ・・・(@_@)



大山先輩ノ顔ガミレナイヨォ。



「何が好きなんだよ」

 あたしが必死に思いを巡らせていると大山先輩が声をかけてきた。


ナニッテ・・・。



何って?



だから・・・何って・・・って。



え(-.-)?



何?



・・・もしかしたら。



聞こえて、ナカッタ?



あたし、言ってない(>_<)?





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