運命が紡いだ物語
それから私たちは望月さんの家に向かった。

道中、私はすごくドキドキしていた。

迷いつつも無事到着し、インターホンを押した。

ピンポーン

「はーい!」

すると、この前の女の子が出てきた。

「こんにちは。
お母さんに用があるんだけどいる?」

「はい。」

「あっ!この前の・・
来てくれたのね。どうぞ。入って。」

望月さんは私たちのこと覚えててくれてたんだ・・

「「おじゃまします。」」

「どうぞ、座って。なにか用があったのよね。」

「はい。
実は私、牧原家の養子なんです。
私の前の名前は新井あみです。
新井絵里は私の実の母なんです。
この前は、嘘をついてしまってごめんなさい。」

望月さんにすべてを聞きたいから、
私は思い切って自分が娘だって打ち明けた。

「そうだったのね・・。
言ってくれてありがとう。
実はもしかしてって思ってたの。
初めて会った時、姉さんにそっくりだったから。」

やっぱり・・

望月さんは、私が娘だって気づいてるかもしれないと少し思っていた。

私が驚いたのは、望月さんが私が母さんに似てるって言ったこと・・

正直、考えたこともなかった。

自分が誰に似ているかなんて・・

でも、私が聞きたいのはこのことじゃない。

「今日はどうしても聞きたいことがあってきました。
父のことです。
父の医療ミスについて詳しく聞かせてください。
本当のことを。」

「そうね、でもその前に。
あなたは覚悟できてる?
知らなくてもいいこともあるのよ。
あなたが少しでも聞かなくてもいいって思ってるなら聞かないほうがいいかもしれない。」

望月さんは私の目をじっと見て言った。

望月さんがそういうくらいなんだからよっぽどだろうと思い私は少し怖くなった。

でも、私の決心は揺るがなかった。

聞かなきゃ。

陽向は私の大切な人だから・・
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