運命が紡いだ物語
「そうだったの・・。
私も、あの日のことよく覚えてる。
花はずっと実のお母さんに抱きついて離れなかった。
警察の人に引き離されて泣き叫ぶ花を
私は咄嗟に抱きしめた。
まだこんなに小さいのに、目の前で両親が亡くなっていて、私にはその時の花の気持ちが全く想像もできなかった。
私の腕の中で震えながら泣いている花を、
抱きしめることしかできない自分がすごく情けなかった。
花とは何度か遊んだことがあって、
無邪気に笑うところを見ていたから、余計に花の笑顔を見たいって強く思った・・・。」

そうだったんだ・・

お母さんからこういうことを話してくるのは本当に珍しい。

今まできっと、私に気を使って話さないようにしてくれていたのかな。

「その日、花はそのまま施設に行ったんだけど・・
それでも私は、どうしても花のことが気になってお父さんと何回も話して、
花を養子にすることを決めたの。
花が私たちの子供になってからは、大変なことももちろんいっぱいあったけど、
花を我が子に迎えたことを後悔したことは一度もない。
花と翔大が幸せでいてくれたら私もお父さんもそれだけで幸せだから・・」

「お母さん・・。」

私の目からは大粒の涙があふれていた。
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