運命が紡いだ物語

そして、試合の残り時間もあとわずかになった時、

翔大のパスしたボールが陽向へと渡った。

陽向は見事なボールさばきで、どんどんゴールへと向かっていく・・。

残り時間も考えてこれが最後のチャンス・・。

頑張れ・・！

陽向！！

「陽向！！！」

私は思わず叫んでいた。

陽向の放ったボールは・・・・

見事にゴールへと吸い込まれていった。

その時

ピッピーーー

試合が終了した。

２対１翔大たちのチームが勝った・・。

やったーー

勝った！

陽向すごい！！

かっこいい！

陽向はチームメイトに囲まれてもみくちゃにされていた。

そこにいたみんなが興奮していた・・。

えっ・・？

今、陽向と目が合った気がした・・。

なわけないよね・・。

そう思った時だった・・。

陽向は明らかにこっちを見て少し驚いた表情をしながらも笑顔を見せた。

私も返事をするように、今できる精一杯の笑顔で陽向を見つめた・・・。

さっきの結愛と翔大みたいに、ここには私と陽向の２人の時間が流れているような気がした・・。

ズキ

さっきよりも胸が痛んだ・・。

直接言いたかった・・。

今日、頑張ってね！とか、すごかったね！とか・・。

何より彼女として、陽向を応援したかった・・。

そう思ったら涙が出そうになった・・。

やばい！

そう思った時、ちょうど陽向がチームメイトに呼ばれて私から目線を外した。

私はもう我慢ができなかった・・。

「ごめん・・。」

結愛にそう言って私はその場を走って離れた・・。