運命が紡いだ物語
『永遠に結ばれる』
この観覧車で、初めてのキスをしたあの日。
陽向がこの観覧車にはこんな素敵なジンクスがあることを教えてくれた。
ほんの数カ月前の出来事なのに、すごく懐かしく感じる・・
唇を離した陽向は私の正面に座ると、
私の顔をじっと見つめた。
「花は知らないと思うけど、
高校に入学してから、花の隣の席になるまで
ずっと坂下さんが俺に花の話をしてくれてたんだ。」
え・・
結愛が・・?
「『花はほんとに優しくて』とか、毎日のように坂下さんは花のことを俺に話してくれた。
その話をずっと聞いてて、俺は牧原さんってどんな人なんだろうって思ったんだ。」
そんなことがあったなんて全然知らなかった。
「じゃあ、結愛は私達の恋のキューピットだね。」
ふふ
「うん。
俺と花が今こうやって幸せにいられるのは、
沢山の人のおかげだな!
これからも、周りの人への感謝を忘れないで生きていきたい。」
「私も・・。」
観覧車を降りると、
「陽向はそろそろ帰ろうか・・・」
と言った。
もう、デートが終わってしまうんだと思うと、
私はすごく寂しかった。