Black Sapphire 1【大幅改変&更新中】
それが引き金となり、鉄パイプを構えた赤ピアスの男達はふたりに殴りかかった。
「髪が乱れてまうやん…面倒やわ〜」
だるそうにしている皇も、
「無駄口叩いてないでとっとと潰してくださいよ」
それを呆れたように咎める鳳も、ちゃんと強くて…あぁ、幹部だなぁと意識朦朧ながらに思った。
あっという間に男達は倒され、立っているのはふたりだけ。赤ピアスの男達は誰一人として立ち上がる事はなかった。
無傷で息も乱していないふたりがこちらに歩いてきた。
「…見事にボロボロですね」
「…う、るさい」
コンクリート上に横になったままの私を抱き起こし、自分の羽織っていたシャツを私に被せて鳳はそう言う。今思い出したかのように体のあちこちが痛みだし、私は小さく呻く。そこへ、赤ピアスの奴らに色々吐かせていた皇がこちらへ戻ってきた。