幼馴染との正しい距離感
と、言う感じで…
何事もなかったかのように
あっさりと、こーくんは去っていった。
私はあの後、しばらく放心してて
ベッドの中で起こった出来事を
ずっとぐるぐる思い返して
ようやく眠れたのは朝方。
次に顔を合わせた時
こーくんはいつものこーくんで
今日の朝も普通に笑っていて
あの時の、熱のこもった目や表情が
嘘みたいに、平然としていた。
「矢橋君となにかあったの?」
「……ミキちゃん、こーくんって
どんな人に見える?」
「へ?……とにかく顔が良い男子?」
「どんな性格に見える?」
「えぇ?
うーん…一見誰にでも穏やかに見えるけど
そうじゃないよね
笑ってはいても
つむぎ以外の人には結構冷たいし、容赦ない」
「ぱっと見、王子さま系だけど
中身は結構、野獣っぽいかもね」
……野獣。
『つむぎ』
……掴まれた手の力強さ。
抵抗する意思さえ奪うような甘い声。
耳の奥に貼り付いたように、残る
あの時のこーくんが私を呼ぶ声。
「…」
「え、なになに…っ
なんでいきなり真っ赤になってんの!?
大丈夫?!」
「……ミキちゃん。恋ってなに?」
「…いや、私の質問にも答えなさいって
……まったく……」
ぎょっと目を見開いた後
ぼんやり問いかけた私に脱力するように
がくりとうなだれるミキちゃん。
何事もなかったかのように
あっさりと、こーくんは去っていった。
私はあの後、しばらく放心してて
ベッドの中で起こった出来事を
ずっとぐるぐる思い返して
ようやく眠れたのは朝方。
次に顔を合わせた時
こーくんはいつものこーくんで
今日の朝も普通に笑っていて
あの時の、熱のこもった目や表情が
嘘みたいに、平然としていた。
「矢橋君となにかあったの?」
「……ミキちゃん、こーくんって
どんな人に見える?」
「へ?……とにかく顔が良い男子?」
「どんな性格に見える?」
「えぇ?
うーん…一見誰にでも穏やかに見えるけど
そうじゃないよね
笑ってはいても
つむぎ以外の人には結構冷たいし、容赦ない」
「ぱっと見、王子さま系だけど
中身は結構、野獣っぽいかもね」
……野獣。
『つむぎ』
……掴まれた手の力強さ。
抵抗する意思さえ奪うような甘い声。
耳の奥に貼り付いたように、残る
あの時のこーくんが私を呼ぶ声。
「…」
「え、なになに…っ
なんでいきなり真っ赤になってんの!?
大丈夫?!」
「……ミキちゃん。恋ってなに?」
「…いや、私の質問にも答えなさいって
……まったく……」
ぎょっと目を見開いた後
ぼんやり問いかけた私に脱力するように
がくりとうなだれるミキちゃん。