二人を繋ぐ愛の歌
「ねえ、叔父さん。
やっぱり新しく宅配してくれる信頼出来る人を雇った方がいいと思いますよ?ヘルニアって慢性化するって言うじゃないですか」

「うーん……だがなぁ……。
あんな大手なテレビ局が顧客だろ?万が一にも雇った人が信用を失うような事をしたら、この店は一瞬で潰れるからなぁ……。
ほら、流行ってるんだろ?バイトテロ」

「いえ、決して流行ってる訳じゃないですよ」

そう否定してみるが、確かにテレビ局や音楽スタジオに配達で出入りする以上、芸能人を見たとかテレビ局はこんなところだったとか言った情報を簡単にネットに投稿しない人でないと雇えないだろう。

こればかりはかなり慎重に考えないといけないのかもしれなかった。

「まあ、俺ももう年だからな。
信頼できる配達専用の従業員を雇うのも考えてみるよ」

「そうですね、叔父さんも無理できない年齢ですから……。
それじゃあ、私はそろそろ帰りますね。
叔父さん、お大事に」

「ああ、ありがとう」

笑顔を見せる叔父に軽く会釈して、おにぎりを食べ終わったお皿を持って立ち上がると階段を下りて店舗に出た。
閉店準備をしているバイトの二人にも挨拶をして叔母にお皿を渡せば、今日の余り物だと惣菜を山のように持たされた。

大きな袋一杯に入った惣菜を二袋。
有り難いけれどこの量をどうしたものかと思いながらお礼を言って、入ってきた時と同様に裏口から店を出た。
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