二人を繋ぐ愛の歌
「世間に出回る前のShineの情報を知らせてもらったらその分、普段の沙弓の様子を報告するって陽人さんと取引したのよ」

そう言いながら遥が見せてきたのは陽人とのトーク画面。
そしてそこには“只今仕事中です”の文字とその下に沙弓がパソコンを眺めている横顔の写真……。

「ちょっと、これ隠し撮りでしょ!?何してるの!!あっ!!陽人に送ってるし!!」

「別に良いでしょ、写真の一枚や二枚。
減るもんじゃないし」

「プライバシーが減るっ!しかも送ってるの一枚や二枚どころじゃないじゃないっ!!」

仕事中の写真から休憩中の写真、休みの日に一緒に遊びに行ったときの写真まで送られていて沙弓はガックリと肩を落とした。

「Shineの情報欲しさに友達を売ったのね?」

「人聞きが悪いわねー、使えるものは使っただけよ」

「俺、君のそのドライなところ嫌いじゃないよ」

おほほーと笑う遥に恐らく爽やかな笑顔の陽人。
恨みがましく陽人を見上げると陽人は頬に口付けてきた。

「俺がいない所で沙弓がどう過ごしてるか知りたかったんだ。
遥さんとはお互い知りたい情報を共有してるだけだから嫉妬したりとか不安に思わなくていいんだよ」

「嫉妬……」

陽人に優しく囁かれて沙弓は小さく呟くと胸のモヤモヤの正体にやっと気付いた。
これが嫉妬したときの気持ちなのかと理解すると同時に、こんな思いはあまりしたくないとも思った。

「俺としては身近にいい協力者がいてくれて良かったよ」

「私も、これだけでShineの情報貰えるなんてすごくラッキー!」

「……待って、私は何も良くない……」

上機嫌の二人に挟まれてふと我に返ると、自分は何一つ得してない事実に気付いて沙弓は再び肩を落とした。
せめて遥が近くにいるときは陽人に写真を送られることを意識して変な顔をしないように心掛けようと強く決意したのだった。
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