二人を繋ぐ愛の歌
「こんばんは、【多幸】ですけど……」
指定された配達先はいつものようなどこかのテレビ局やスタジオ、ロケ現場とは違って普通の……とは言い難いセキュリティがしっかりしているマンションだった。
教えられた部屋の番号のボタンを押して通話に出た相手に名乗るとその人は明るく応えてくれて、通話が切れたと同時に正面のエントランスに通じるドアが開いた。
エレベーターに乗る間もドキドキしていて、今この場に一人きりなのがすごく不安で仕方なかった。
そしてとある一室の前で何度か深呼吸をして心の準備をし、インターホンを押そうと震える指を持ち上げるとボタンに触れる前にドアが開いてしまった。
「あ、やっぱり来てた。
遅いから何してるのかなーって見に来たんだけど、正解だったかな」
ひょこっと顔を出した人当たりの良さそうな男性……人の名前も顔も覚えられない沙弓でもさすがに覚えられたKaiserの拓也がそこにいて、沙弓はその格好のまま固まってしまった。
「あ、えっと、私……」
「紹介は後々!早く入って入って!」
「待ってください、靴が……」
「後で揃えとくから。
勇人ー、陽菜ちゃーん、待ち人のご到着だよー」
そう言いながら無理矢理背中を押されてリビングに通されると、そこにはソファに座ってじっとこっちを見ている勇人とその近くで立って少しおどおどしている陽菜。
そして沙弓の後ろでにこにこしている拓也……陽人の両親とその友人が今ここに揃っていた。
何故この場に陽人がいないのか……それが多分今日一番の謎だった。
指定された配達先はいつものようなどこかのテレビ局やスタジオ、ロケ現場とは違って普通の……とは言い難いセキュリティがしっかりしているマンションだった。
教えられた部屋の番号のボタンを押して通話に出た相手に名乗るとその人は明るく応えてくれて、通話が切れたと同時に正面のエントランスに通じるドアが開いた。
エレベーターに乗る間もドキドキしていて、今この場に一人きりなのがすごく不安で仕方なかった。
そしてとある一室の前で何度か深呼吸をして心の準備をし、インターホンを押そうと震える指を持ち上げるとボタンに触れる前にドアが開いてしまった。
「あ、やっぱり来てた。
遅いから何してるのかなーって見に来たんだけど、正解だったかな」
ひょこっと顔を出した人当たりの良さそうな男性……人の名前も顔も覚えられない沙弓でもさすがに覚えられたKaiserの拓也がそこにいて、沙弓はその格好のまま固まってしまった。
「あ、えっと、私……」
「紹介は後々!早く入って入って!」
「待ってください、靴が……」
「後で揃えとくから。
勇人ー、陽菜ちゃーん、待ち人のご到着だよー」
そう言いながら無理矢理背中を押されてリビングに通されると、そこにはソファに座ってじっとこっちを見ている勇人とその近くで立って少しおどおどしている陽菜。
そして沙弓の後ろでにこにこしている拓也……陽人の両親とその友人が今ここに揃っていた。
何故この場に陽人がいないのか……それが多分今日一番の謎だった。