二人を繋ぐ愛の歌
「数ヵ月に一度……!?じゃあ、トップアイドルの陽人の休みは?」

「堀原さん……マネージャーが何とか調整してくれてるけど、それでも一月に一回くらいあればいい方かな?」

「それだけしかないの?」

驚いて目を丸くしていると陽人に苦笑された。
昔、まだマネージャーがついていない時は数ヵ月間休みがなかったらしくそれを聞いて沙弓はさらに唖然としてしまった。

「芸能人ってすごい……私も頑張らないと」

「沙弓も?」

「あ、私、普段の仕事の他に休日に【多幸】の助っ人で配達してるでしょ?このところ休んでなかったからたまには休みたいなーって思ってたんだけど……陽人の話を聞いたら贅沢な話だったんだなって思ったの」

「……まあ、俺は仕事でやってるっていうか、好きでやってることだから。
好きなことを仕事にできていて、その先にどうしても叶えたい野望があるから頑張ってるだけ。
勿論、大変なこともたくさんあったけど、足を止めたいって思ったことは一度もないよ」

信号で車を止めるとハンドルに両腕を乗せてその上に顎を乗せ、長い前髪の隙間から垣間見えたその瞳は真剣な眼差しだった。

そんな陽人を見て沙弓は自然と格好良いと思ったがすぐに我に返った。
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