冬の王子様の想い人
その後、残りの作業を終え、帰る準備をしながら先程の雪華とのやり取りを梨乃に話すと、嬉しそうに祝福してくれた。
今、雪華は一緒に下校するために制バッグを取りに十組の教室に戻っている。
一階の靴箱前で待ち合わせる約束をすると、全部がわかったら話す、とだけ言って興奮冷めやらぬ様子で足早に去っていった。なにか楠本くんに確認したい話があるらしい。
「ナナちゃん」
梨乃と共に一階に降りた時、二組の靴箱近くに佇む楠本くんに声をかけられた。
「ごめん、待たせちゃった?」
慌てて靴を履き替えて謝罪する。
「いや、俺が先に降りてきたただけ。雪華が転入生に捕まってるからさ」
そう言ってほんの少し眉をしかめた。
「氷室くんがどうして転入生に捕まるのよ?」
靴を履き替えて私の隣にやってきた梨乃が、よくわからない、といった表情を浮かべる。
楠本くんに話をしに行ったはずなのにどういうことだろう?
「あー……よくある話? 転入生……葉山(はやま)って言うんだけど、その葉山が雪華と幼稚園が一緒だったんだ。お互いの自宅が近所だったからふたりは幼馴染みたいなものでさ。葉山は卒園前に親の仕事の都合で海外に引っ越して、最近こっちに戻って来たらしいんだ」
歯切れの悪い話し方に心の中がざわめく。
今、雪華は一緒に下校するために制バッグを取りに十組の教室に戻っている。
一階の靴箱前で待ち合わせる約束をすると、全部がわかったら話す、とだけ言って興奮冷めやらぬ様子で足早に去っていった。なにか楠本くんに確認したい話があるらしい。
「ナナちゃん」
梨乃と共に一階に降りた時、二組の靴箱近くに佇む楠本くんに声をかけられた。
「ごめん、待たせちゃった?」
慌てて靴を履き替えて謝罪する。
「いや、俺が先に降りてきたただけ。雪華が転入生に捕まってるからさ」
そう言ってほんの少し眉をしかめた。
「氷室くんがどうして転入生に捕まるのよ?」
靴を履き替えて私の隣にやってきた梨乃が、よくわからない、といった表情を浮かべる。
楠本くんに話をしに行ったはずなのにどういうことだろう?
「あー……よくある話? 転入生……葉山(はやま)って言うんだけど、その葉山が雪華と幼稚園が一緒だったんだ。お互いの自宅が近所だったからふたりは幼馴染みたいなものでさ。葉山は卒園前に親の仕事の都合で海外に引っ越して、最近こっちに戻って来たらしいんだ」
歯切れの悪い話し方に心の中がざわめく。