冬の王子様の想い人
「どうして呼んじゃダメなの? あ、もしかして七海さんって雪華くんの彼女?」
小鹿のような大きな目で無邪気に問う。
「ああ、七海は俺の大事な恋人だ」
「ふうん、意外。雪華くんの好みとは思えない」
「葉山に俺の好みがわかるとは思えないけどな。七海の魅力は俺だけが知ってたらそれでいいんだよ。葉山には関係ない」
酷薄な表情で冷静に言い返す。その声に温かみは微塵も感じない。
「そうそう、雪華にはナナちゃんがいるから無駄だぞ」
「桜汰くんには関係ないでしょ」
拗ねたように口を尖らせる葉山さんは、文句なしに可愛い。
「私、葉山夏加。体調大丈夫? お大事にね」
「は、原口七海、です。あの、ありがとう」
体調を気遣ってもらったお礼を伝えると、葉山さんは小首を傾げた。
「ナツミちゃんなのにナナちゃんって呼ばれてるの? なんだか不思議ね。雪華くんの恋人だなんて羨ましいなあ。これからよろしくね。じゃあまた」
明るくそう言って、短めのスカートの裾を翻し、あっさりその場を去っていく。
「……相変わらず厄介だな」
「七海が心配する必要はないよ。俺が好きなのは七海だけだ」
髪を優しく撫でながら耳元で囁く声に心が震えた。
いつもならこんな時、盛大に冷やかす楠本くんはなにも言わなかった。
小鹿のような大きな目で無邪気に問う。
「ああ、七海は俺の大事な恋人だ」
「ふうん、意外。雪華くんの好みとは思えない」
「葉山に俺の好みがわかるとは思えないけどな。七海の魅力は俺だけが知ってたらそれでいいんだよ。葉山には関係ない」
酷薄な表情で冷静に言い返す。その声に温かみは微塵も感じない。
「そうそう、雪華にはナナちゃんがいるから無駄だぞ」
「桜汰くんには関係ないでしょ」
拗ねたように口を尖らせる葉山さんは、文句なしに可愛い。
「私、葉山夏加。体調大丈夫? お大事にね」
「は、原口七海、です。あの、ありがとう」
体調を気遣ってもらったお礼を伝えると、葉山さんは小首を傾げた。
「ナツミちゃんなのにナナちゃんって呼ばれてるの? なんだか不思議ね。雪華くんの恋人だなんて羨ましいなあ。これからよろしくね。じゃあまた」
明るくそう言って、短めのスカートの裾を翻し、あっさりその場を去っていく。
「……相変わらず厄介だな」
「七海が心配する必要はないよ。俺が好きなのは七海だけだ」
髪を優しく撫でながら耳元で囁く声に心が震えた。
いつもならこんな時、盛大に冷やかす楠本くんはなにも言わなかった。