冬の王子様の想い人
階段のすぐ近くにある保健室の前扉を雪華が器用に片手で開ける。
廊下の片隅で、抱えられている私を凝視している生徒たちがいたけれど、雪華は気にもしていなかった。
恥ずかしさに思わず俯く。最近はこんな風に抱え上げられたり、噂になることがすっかり増えてしまった。
「先生、ベッド借りたいんだけど」
「あら、氷室くん。具合悪いの……って違うみたいね」
先生が私を見て呆れたように眉尻を下げた。
「せ、雪華、降ろしてってば!」
必死に抗議する。さすがに先生の前ではやめてほしい。
「ハイハイ、ベッドに着いたらな。あれ、今日は先生が来てたんだ?」
飄々とした態度のままベッドに運ばれる。後ろからついてきた先生がベッド周りのペパーミントグリーンの薄いカーテンを開けてくれた。
「そうよ、井筒先生はお休み」
この学校には養護教諭の井筒先生と校医の千田先生がいる。ふたりとも女の先生だが千田先生は週半分ほどしか来ない。
雪華がゆっくりと優しい手つきで私をベッドに降ろして、腰かけさせてくれた。
「上履き、自分で脱げる?」
「脱げる、大丈夫」
上履きを脱がそうとする過保護な恋人を止め、ベッドに潜り込むとなぜか残念そうな表情をされた。
廊下の片隅で、抱えられている私を凝視している生徒たちがいたけれど、雪華は気にもしていなかった。
恥ずかしさに思わず俯く。最近はこんな風に抱え上げられたり、噂になることがすっかり増えてしまった。
「先生、ベッド借りたいんだけど」
「あら、氷室くん。具合悪いの……って違うみたいね」
先生が私を見て呆れたように眉尻を下げた。
「せ、雪華、降ろしてってば!」
必死に抗議する。さすがに先生の前ではやめてほしい。
「ハイハイ、ベッドに着いたらな。あれ、今日は先生が来てたんだ?」
飄々とした態度のままベッドに運ばれる。後ろからついてきた先生がベッド周りのペパーミントグリーンの薄いカーテンを開けてくれた。
「そうよ、井筒先生はお休み」
この学校には養護教諭の井筒先生と校医の千田先生がいる。ふたりとも女の先生だが千田先生は週半分ほどしか来ない。
雪華がゆっくりと優しい手つきで私をベッドに降ろして、腰かけさせてくれた。
「上履き、自分で脱げる?」
「脱げる、大丈夫」
上履きを脱がそうとする過保護な恋人を止め、ベッドに潜り込むとなぜか残念そうな表情をされた。