冬の王子様の想い人
「先生、七海は恥ずかしがりやなんだから」
雪華が困ったように肩を竦める。その言い方がとても親し気で驚く。
「あら、そうなの? 残念、馴れ初めとか聞きたかったのに」
「桜汰に聞けば?」
「いやよ、どうせあの子、デートだなんだって捕まらないし。本人がいるんだからやっぱり本人から聞きたいじゃない!」
なぜか楽しそうな千田先生。
この雰囲気、どこかで見たような気がする。
「雪華、千田先生って……」
繋がれた手を引っ張って小声で尋ねる。
「ああ、桜汰の姉貴。既婚者だから名字が違うけど」
「ええっ、楠本くんのお姉さんなの?」
どおりで親し気に会話してるわけだ。ふたりは幼馴染だし、きっと先生とも古い付き合いなのだろう。
「そうなの。でもこの件は一応内緒だから、あまり公言しないでもらえたら助かるわ」
ニッコリとどこか楠本くんに似た微笑みを浮かべる先生に頷く。
「もちろんです」
「ありがとう。原口さんは本当に素直で可愛いわね。氷室くんが構いたくなる気持ちがわかるわ。さて、あなたは教室に戻りなさい。原口さんはしばらく横になって休んでね」
そう言って雪華を追い立ててカーテンの外に出て行く。
「七海が眠るまで付き添っていたい」
「私は大丈夫だから教室に戻って。授業があるでしょ?」
閉じられたカーテン越しに会話をする。
「特別授業のテスト返却だから多少は大丈夫。気にしなくていいから」
「気にするでしょ、恋人なら。さっさと授業に戻りなさい」
先生の呆れ声がカーテンの向こう側で響く。それでもなにやら抵抗している様子の恋人に先生が譲歩してくれた。
雪華が困ったように肩を竦める。その言い方がとても親し気で驚く。
「あら、そうなの? 残念、馴れ初めとか聞きたかったのに」
「桜汰に聞けば?」
「いやよ、どうせあの子、デートだなんだって捕まらないし。本人がいるんだからやっぱり本人から聞きたいじゃない!」
なぜか楽しそうな千田先生。
この雰囲気、どこかで見たような気がする。
「雪華、千田先生って……」
繋がれた手を引っ張って小声で尋ねる。
「ああ、桜汰の姉貴。既婚者だから名字が違うけど」
「ええっ、楠本くんのお姉さんなの?」
どおりで親し気に会話してるわけだ。ふたりは幼馴染だし、きっと先生とも古い付き合いなのだろう。
「そうなの。でもこの件は一応内緒だから、あまり公言しないでもらえたら助かるわ」
ニッコリとどこか楠本くんに似た微笑みを浮かべる先生に頷く。
「もちろんです」
「ありがとう。原口さんは本当に素直で可愛いわね。氷室くんが構いたくなる気持ちがわかるわ。さて、あなたは教室に戻りなさい。原口さんはしばらく横になって休んでね」
そう言って雪華を追い立ててカーテンの外に出て行く。
「七海が眠るまで付き添っていたい」
「私は大丈夫だから教室に戻って。授業があるでしょ?」
閉じられたカーテン越しに会話をする。
「特別授業のテスト返却だから多少は大丈夫。気にしなくていいから」
「気にするでしょ、恋人なら。さっさと授業に戻りなさい」
先生の呆れ声がカーテンの向こう側で響く。それでもなにやら抵抗している様子の恋人に先生が譲歩してくれた。