冬の王子様の想い人
翌日、いつもと同じように四人で登校した。

今日から四日間は普通科も以前急遽休校になった日等の振替授業とテスト返却があり、普段と下校時刻は変わらない。

その翌日は通常通りの登校時間だがホームルーム等があり下校時刻が早くなる。



昼休み、いつものように梨乃と千帆ちゃんとお弁当を食べていた。千帆ちゃんはテニス部のミーティングがあるため、いつもより急いでいる。

「そう言えば特進科に転入生が入ったらしいよ」

早々に弁当を食べ終えた千帆ちゃんが思い出したように言う。


「こんな中途半端な時期に? 珍しいね」

ペットボトルのお茶を飲みながら尋ねる。

「それが、そんなに珍しくないみたい。期末テストが終わって、勉強は一区切りついてるし、学校の雰囲気もわかるから、この時期の転入生はたまにいるんだって。特に特進科は夏休みにも特別授業が幾つかあるからその受講のためもあるらしいよ」
「ああ、それで朝から男子がやたら転入生、転入生って言ってたのね」

梨乃が納得したように言う。


「そう。しかも冬の王子様と同じクラス」
「すごいね、特進科の編入試験って難しいんじゃないの?」
「……ナナちゃん、違うでしょ。恋人としてそこは可愛い子だったらどうしよう、とかじゃないの?」

千帆ちゃんが残念そうな目を私に向ける。


「……恋人じゃないもん」

否定の言葉をふたりはあっさりと受け流す。
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