冬の王子様の想い人
目的の公園は学校から徒歩十五分くらいの、普段足を踏み入れない閑静な住宅街にあった。
ちょうど下校時刻なのか、ランドセルを背負った子どもたちが大勢走り回っている。
滑り台、鉄棒、ブランコ、といった遊具が置かれていて、近くには屋根付きの木製ベンチまであった。小規模なマンションが建設できそうなくらいの敷地だ。
「こんな場所があるなんて知らなかったなあ」
公園の入り口付近で周囲の景色を眺めながら、感嘆の声を上げる。歩道には石畳がひろがり車道と区別されている。
「私も知らなかったわ。そう言えばうちの学園の創立者の邸宅がこの辺りだって聞いた気がする」
梨乃が思い出したように言う。
園内の植木の隙間から零れ落ちる夏の日差しは午後四時近い今も勢力を衰えない。
「創立者って今の理事長のお父様だよね?」
「確か、そうね」
青蘭学園は歴史がそれなりに長く、生徒数も多いマンモス校だ。
生徒の中に理事長の息子がいるとよく騒がれているけれど、結局それが何年何組の誰なのかは不明だ。
そもそも理事長の姿すら、年に数えるほどしか見かけないし、似ている人物を捜すには無理がある。
それよりも我が校では『冬の王子様』のほうが注目度が高い。
ちょうど下校時刻なのか、ランドセルを背負った子どもたちが大勢走り回っている。
滑り台、鉄棒、ブランコ、といった遊具が置かれていて、近くには屋根付きの木製ベンチまであった。小規模なマンションが建設できそうなくらいの敷地だ。
「こんな場所があるなんて知らなかったなあ」
公園の入り口付近で周囲の景色を眺めながら、感嘆の声を上げる。歩道には石畳がひろがり車道と区別されている。
「私も知らなかったわ。そう言えばうちの学園の創立者の邸宅がこの辺りだって聞いた気がする」
梨乃が思い出したように言う。
園内の植木の隙間から零れ落ちる夏の日差しは午後四時近い今も勢力を衰えない。
「創立者って今の理事長のお父様だよね?」
「確か、そうね」
青蘭学園は歴史がそれなりに長く、生徒数も多いマンモス校だ。
生徒の中に理事長の息子がいるとよく騒がれているけれど、結局それが何年何組の誰なのかは不明だ。
そもそも理事長の姿すら、年に数えるほどしか見かけないし、似ている人物を捜すには無理がある。
それよりも我が校では『冬の王子様』のほうが注目度が高い。