冬の王子様の想い人
何人もの保護者や公園に訪れる人に話しかけた。制服を着ているせいか怪しまれたり警戒心をもたれなかったが、結果は芳しくなかった。


当時を知る人が誰ひとりいなかったのだ。

もちろんゆきちゃんについてもなんの情報も得られなかった。


「氷室くんが何年かかっても見つけられないわけよね。手がかりなさすぎ」 

調査を初めて一時間近くが過ぎた頃、梨乃がぽつりと言った。

五時半を過ぎて、遊具で遊んでいた子どもたちは親に連れられて少しずつ帰路についている。


「そうだね……」
「今日はもう引き上げて、また明日来よう。ゆきちゃんについてもなにかわかるかもしれないし、ね?」

明るく言ってくれる親友に曖昧な笑顔を返しながら、帰路についた。


自宅に帰りついて約束通り雪華にメッセージを送ると、間髪入れずに返事がきた。相変わらずの反応の速さに舌を巻く。


【今日は随分遅くない?】


その鋭さに息を呑む。見られているわけでもないのに、つい自室を見回してしまう。


まさか疑われてる? 
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