溺愛求婚〜エリート外科医の庇護欲を煽ってしまいました〜
そんな優から告白されたのは出会って半年が経ってからで、彼からの告白に舞い上がった私はふたつ返事でオッケーした。
多忙を極める優とは英会話教室のあとにしか会えなくて、それも短時間だけだったけれど、笑いが絶えなくて楽しかった。
お互い大学を卒業して社会人になるとますます会えなくなったけれど、それでも私は優のことを想いながら仕事に励んだ。
事態が一変したのは帝都大に勤め始めて四カ月が経った頃。帝都大を担当している《MIYAMO》のMRが、優を引き連れて帝都大へとやってきた。
日本の医師会の顔であるともいえる准教授の先生方に、ゆくゆくは会社を背負って立つ優が自ら挨拶に訪れたのだ。
お昼の休憩に向かおうと歩いていた私は、たまたまそこで優とすれ違った。
ピシッとスーツを着こなして、飄々としている優の姿は多くの人の目を引き、優のことは瞬く間に院内でも噂になった。
どこからなのか《MIYAMO》の御曹司であるということも知れ渡り、看護師たちの間でそれはそれは話題になったものだ。
そんなある日、私は信じられない噂を耳にする。
『MIYAMOの御曹司には、すでに婚約者がいるそうよ。お相手は柊製薬のご令嬢ですって』