溺愛求婚〜エリート外科医の庇護欲を煽ってしまいました〜

そんな目で見るのはやめてほしい。これ以上強く言えなくなる。最終的に根負けしてしまった私は、テレビ出演を渋々受け入れることになったのは言うまでもない。

緊張して心臓が口から飛び出そう。全身から変な汗が出てきた。手の平がじっとりと湿っている。

「ちょ、ちょっとお手洗いに行ってきます」

生中継開始十分前、緊張がピークに達してついに我慢ができなくなった。胃が痛い、お腹も痛い。お手洗いに行ってスッキリしてから本番に臨もう。

修さんがついてきてくれようとしたけれど、私はそれを断ってひとりで会場の外にあるお手洗いへと向かう。

用を足してから鏡の前で気合いを入れる。頬に変な力が入り、さらには眉間にシワまで寄っていた。どうしよう、ちゃんと笑えるかな。緊張して頭が回らなかったらどうしよう。聞かれたことに答えられなかったら?

そもそも、なにを聞かれるの?

そんなことを考えたら、ますますここから出られなくなってしまう。とりあえず行かなくては、もうそろそろ時間だ。

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