鬼課長の魔法の義足。(11/24修正完結済み)
相変わらず強引な課長だ。
しかし、叶えたい願い事だ。これは、お言葉に甘えて
叶えて貰おうと思った。
「私の願い事は、金メダルを絶対に取って
帰って来てください。負けないで……絶対に」
「……あぁ、約束だ!」
課長は、そう言うと強く抱き締めてくれた。
私は、涙を浮かべながら強く願った。
勝って……と。
そして願いながらも数十日後。
運命の東京オリンピック・パラリンピックが
始まろうとしていた。
最初にオリンピックの開会式が始まった。
待ちに待った日本の最大イベントのため
国民だけではなく世界からも注目を浴びる。
ニュースや新聞だけではなくネットでもたくさん
取り上げられ日本中は、オリンピック一色となっていた。
数日が過ぎるとオリンピックは、大きな活躍を見せて
無事に終わった。
閉会式も一大イベントとして盛り上がった。
日本の有名な選手の活躍、たくさんのメダルを取り
それをニュースで取り上げられた。
特集まで組まれインタビューやイベントなど
活躍も幅広い。国民は、閉会式も終わったので
関心は、そちらに向いてしまっていた。
それを引き戻すため課長達率いる
パラリンピックが始まろうとしていた。
開会式では、同じハンデを持つ世界中の強者達が
集まった。私は、サポーターとして間近で見ることが出来た。
開会式でそれぞれの国の選手が行進する。
日本は……あっ居た!!
課長と永井さんを見つけた。
松岡さんは、加藤さんに連れられて歩いていた。
源さんも車椅子に押してもらいながら
行進に参加していた。
こうやって見ると凄い選手なんだと
改めて実感をさせられた。
日本が終わると……次は、アメリカだ。
アメリカには、ロンさんが居る。
捜していると女性達の黄色い声援が飛んできた。
えっ……?
その視線の先を見るとロンさんだった。
手を挙げて周りの声援に応えてあげると
さらに声援が高まる。
す、凄い……人気だわ!!
さすが義足の貴公子と言われているだけはある。
すでに女性の人気を掴んでいた。
他にもたくさんの選手が行進する。
そして全員集まると開会式が行われた。
競技は、次の日からだ。
競技の日には、両親が応援に来てくれた。
課長の両親も……。
私は、パラリンピックが始まる前に挨拶を済ました。
どうやら課長の鋭い目付きは、父親譲りらしい。
でも厳しそうに見えて優しく迎えてくれた。
課長のお母さんもとても優しそうな人だった。
私が婚約者として挨拶したら泣いて喜んでくれた。
きっと心配をたくさんしたのだろう。
私は、受け入れてくれたのが嬉しかった。
これからは、大切にして行きたい。