再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~

気が付けば周りの人もお酒がすすみ、饒舌になっていた。

「夏木さん、彼氏はいるの?」

ウェブデザイナーの近藤さんがビール片手に話しかけてきた。
近藤さんとは挨拶程度ぐらいであまり話したことはない。
いつも清潔感のある白のブラウスを着ていて黒縁眼鏡、無駄口は一切話さないような印象で、真面目という言葉が一番似合う女性だった。
だけど、お酒が入ると恋愛関係の話を興味津々に聞いてくる。
返答に困っていたら、緑さんが口を開く。

「はいはい、近藤さんストップね。誰よ、こんなにお酒を飲ませたの」

「勝手に飲んだんだよ。やっぱり酒が入ると普段とのギャップがすごいな。あの無口な近藤さんはいずこ?って感じだし」

「ちょっとそこ!感心してないで、次からはウーロン茶を頼んであげてね」

酔っぱらった近藤さんの様子にケラケラ笑いながら感心しているのは、確か営業の光藤さん。
緑さんと同期だった気がする。

「もう、私がいなくなったら誰が近藤さんのストッパーになるのよ。ミッツ、頼んだわよ」

「えー、俺は嫌だよ。めんどくさいもん」

「緑さん、大丈夫ですよ。私が頑張るので」

「さすが、松ちゃん!頼もしい。ミッツとは大違いね」

「俺だってやる時はやりますけどね」

「どうだか」

ワイワイと話が盛り上がっている。

私はお手洗いに行きたくて立ち上がる。
少し足元が覚束ないけど、どうにかレストルームにたどり着いた。
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