再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
「そんなに睨むなよ。イケメンが台無しだぞ。俺が悪かったから許してよ。これは内緒にしとくから」
テツの睨みなんかお構いなしで笑いながら人差し指を口許へ持っていく副社長。
変な噂って何だろう。
聞きたいけど、テツの雰囲気からして聞けない。
「内緒にしとくじゃねぇよ。お前が勝手に喋り出したんだろ。余計なことを言うなよ」
「はいはい。王子様の仰せのままに」
「王子様?」
私が聞き返すと、副社長はニッコリ笑う。
「哲平は見事な王子様フェイスだから、うちの会社の女子社員がそう呼んでいるんだ」
テツは苦虫を噛みつぶしたような、不愉快極まりない顔をしていた。
本人的には不本意なんだけど、そう呼ばれていることは事実なんだということがテツの顔を見て理解できた。
***
緑さんにお別れの挨拶をした後、私はテツと一緒にタクシーに乗り込んだ。
やっぱり最後は泣いてしまった。
短い期間だったけど、ここまで距離が近くなるとは思わなかった。
私が勝手に慕っていたんだけど。
緑さんは泣いてる私に「いつでも連絡して。私も連絡するからまたご飯食べに行こうね」と言ってくれた。
まだ緑さんと繋がれることにホッとした。
流れる景色を見ていたら突然、右肩に重みを感じた。
テツが私の肩に頭をのせるようにもたれかかっていたからだ。
「マジで疲れた」
「ちょっと離れてよ」
右腕を動かしてテツをどかせようとした。