再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~

「それなら大丈夫。社長にはそれとなくいい人材がいるっていう話をしていたんだ。本人がその気なら早めに来てもらうように伝えてくれって言われてたし。その時に軽く面接というか、美桜の人となりを見てもらうだけで十分だと思う」

いい人材がいると社長に話してたとか、私の評価を上げすぎだ。
なんかテツの思うつぼっていうか、外堀を埋められている気がしてならない。

「ちなみにあの会社、俺のお袋の妹が社長だから全然問題ない」

身内の人の会社で働いているなんて、私と似たような境遇だな。
少しの親近感を覚えていると、テツの口からサラリと飛び出した言葉に唖然とした。

「俺の親父、海鳴(かいめい)建設の社長なんだけど」

「し、社長?」

反応がワンテンポ遅れ、素っとんきょうな声が出る。
海鳴建設といえば私でも知っている大手企業だ。
テツはその社長の息子ってこと?

「あれ、知らなかった?」

「知らないよ」

「まぁ、そういうことであと数年したら今の会社での修行期間を終えて親父の会社に戻ることになっているんだ」

そういえば、テツの家は周りと比べて大きかった気がする。
遊びに行った時は単純にお金持ちの家だなと思った。
だからって、大企業の社長の家だとは思わないよね。
おじさんとは滅多に会うことはなかったけど、どこにでもいるような普通の゛お父さん〝だった。
おばさんだってブランド物で着飾るということはなく、優しくて手作りのケーキを食べさせてくれたことがある。
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