再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
ちょっと待って。
うちのお母さんからもテツの親が社長だなんて話は聞いてない。
もしかして、お母さんも知らなかったのかな?
いやいや、お母さんとテツのお母さんは仲が良かったから聞いてないはずはないんだけど……。
「本当なら兄貴があの会社を継ぐはずだったんだけど、医者になったから必然的に俺に回ってきて。親父にいろんな経験をして人にもまれて勉強して来いと言われたから今の会社で働いているんだ。最初は何でそんなことを親父に決められないといけなんだと反発したけど、実際働いてみたら面白くてやりがいを感じているんだ」
お兄さんが医者でテツが会社を継ぐ?
立て続けにいろんなことを聞いてパニックだ。
知らなかった情報が多すぎる!
「美桜、聞いてる?」
「え、聞いてるよ」
不意に名前を呼ばれて我に返る。
さっきの話で分かったことは、テツは御曹司ということ。
今はデザイン事務所で働いているけど、後々に海鳴建設に戻るということ。
そして、次期社長ということ。
何か幼なじみという距離から遠い存在になった気分だ。
「うちの会社で働くことはオッケーだよな?」
「そこまでお膳立てしてもらって断ることなんて出来ないと思うんだけど」
「じゃあ、近々社長に合わせるよ」
テツはそう言って、スマホを手にどこかに電話をかけ始めた。
「あのさ、履歴書とか必要だよね」
「そうだな、聞いてみるよ。あ、哲平だけど。例の件、オッケーだったよ」
テツが嬉しそうに話す。