再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
「あー、喉が乾いた」
テツは呑気に呟く。
その手にはスーツや服の入ったショッピングバッグを持っている。
私が店員から受け取ろうとしたら横からテツの手が伸びてきて、そのまま奪い取るように持って歩き出した。
「荷物、私持つよ」
「いいよ。それより手が空いてるなら俺の手を握ってよ」
荷物を持っていない方の手を私の目の前でヒラヒラさせる。
くそー!
このまま手を握らないと負けた気がする。
私はギューッと力を込めてテツの手を握ってやった。
私がそんなことをするとは思っていなかったのか、テツは驚いた表情になる。
よし、勝った!
自分の中で謎の勝敗を繰り広げていた。
歩いていて、まだお礼を言ってなかったことに気づく。
「テツ、ありがとね」
「お礼なんていらないよ。俺が美桜に何かプレゼントしたかっただけだから」
テツは口元に笑みを浮かべ、私の手を握り直す。
その優しい笑顔を見てドキッとする。
しかも、大人の色気も持ち合わせているので必要以上にドキドキしてしまう私がいる。
「次はどこへ行く?雑貨屋に行きたいって言ってたよな」
「そうだけど、先にカフェでお茶しない?」
今日は私の買い物に付き合ってくれてるだけでテツは自分の物は何一つ買っていない。
それに、さっき喉が乾いたって言ってたのに、私が行きたいと話していた場所を優先してくれる。
私のことをどこまでも甘やかすんだから。
「いいよ。じゃあ行こうか」
二人並んでカフェに向かった。