再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~

私は早速、料理に取り掛かった。
今日のメニューはオムライスだ。
テツは見た目に反してお子様な食べ物が大好きだ。
この前、作ったハンバーグにチーズをのせていたら嬉しそうに頬張っていた。
手早くチキンライスを作り、形を作ってお皿にのせる。
フライパンにバターを入れ、そこへ卵を流し入れてよく混ぜて半熟になったら火を止めてチキンライスの上にのせた。

テーブルにオムライス、サラダ、野菜スープを並べた。
急いで作ったので、簡単なものしか出来なかったけど。

「美味しそうだな」

テツが上機嫌で椅子に座る。
私はサラダにかけるドレッシングとケチャップをテーブルに置く。

「好きなのを自分でかけてね」

「オムライスのケチャップは美桜がやってよ。ハートマークとか描いてくれたら嬉しいんだけど」

ドレッシングをサラダにかけた後、ジーッと期待を込めた目で私を見てくる。
今、ハートって言った?

「え、私が?」

「うん」

うん、じゃないし!
テツは動こうとしはしない。
せっかく作った料理が冷めてしまう。

仕方ないな。
私はケチャップを手にオムライスにハートを描く。
そのハートの中を塗りつぶすように、たっぷりとケチャップを絞り出した。

テツはそれを見て満足そうに笑い、「いただきます」と手を合わせてスプーンを持ちオムライスを頬張った。
< 79 / 153 >

この作品をシェア

pagetop