再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
「この会社で哲平の事情を知っているのは私と副社長、緑ちゃんだけなの。この三人は素の部分を知っているけど、他の社員からしたら自分のことは全く喋らない秘密主義の男って思われているの。あの子、自分のことを聞かれるのは嫌だから適当にかわしているんだけどね」
社長はお茶に口をつける。
「哲平はどうせこの会社を辞めるからという考えは一切持っていない。やるなら中途半端なことはしたくないと言って決して努力は怠らない。会社では鎧をつけて、自分の弱い部分を見せないように必死に戦っている感じがしていたの。たまに無理しているんじゃないかなと心配になることもあってね。そんな時、哲平から美桜さんの存在を聞いたのよ」
社長は優しく微笑む。
「最近、哲平はいい顔をして仕事をするようになったから、どうしたのか気になっていたの。それで聞いてみたら、ストーカーから守るために一緒に住み始めた人がいると言って美桜さんのことを教えてくれたわ。その時に緑ちゃんの後任にどうかって提案してきたの。今、仕事を辞めてるから新しい職場を探すことになったら面接してもらえないかと言ってね。真面目で頑張り屋だからとしっかりアピールまでして。哲平は美桜さんのことを信頼しているんだろうなというのが伝わってきたわ」
私の知らないところでテツがいろいろと動いてくれていたんだ。
自分の仕事も大変なのに、私のことまで気遣ってくれる。
テツの私を想う優しさにどうしようもなく胸が熱くなった。