願い婚~幸せであるように~
「すみれの部屋の借りてもいい?」

「いいけど。せっかくだから、一緒に下のお風呂入ろうよ。ふたりでも広々と入れる大きさだよ」


すみれが私の腕を掴んで、軽く振る。


「すみれ、また勝手なことを……」

「えっ? 和花、お兄ちゃんと入りたいの?」

「ええっ! ううん! すみれと入りたい」


慌てる私を幸樹さんは、「行ってらっしゃい」と快く送り出してくれた。すみれと一緒に入るのもちょっと恥ずかしかったけど、話も弾んで楽しいバスタイムとなった。


「じゃあ、おやすみー」

「うん、おやすみ」


お風呂から出て、幸樹さんの部屋の前で別れる。小さく深呼吸して、ドアをノックしようとしたら、先に開く。

そこには、もちろん幸樹さん。彼はシャワーを浴びたらしく、Tシャツとスエットパンツに着替えていた。ラフな姿でもかっこいい人だなと思わず、上から下まで眺める。


「おかえり」

「ただいま……です」


私もカットソーにゆったりとした七分丈のパンツを着ている、お互いにリラックスした姿だからなのか、なんだか恥ずかしくて緊張する。

幸樹さんに手を掴まれて、ソファに座らされた。テーブルに二つのコップがあり、透明な液体が入っていた。彼はそれを差し出す。


「冷たい水、飲む?」

「はい、ありがとうございます」
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