ママの手料理
「それ流行りなんだろ?俺だって知ってるぞ」


そしていきなり首を突っ込んできた銀河さんも黒いボアジャケットを着ていて、


「銀子ちゃんのは俺が買ってあげたんだよねー。…俺がっ!俺の金なのにっ!俺の野口英世っ!返せっ!」


と、隣で喚く大也さんも、茶色いボアジャケットを羽織っていた。


「あの、お揃いで購入してみたんです。……もちろん琥珀様の分もございます」


笑美さんが、私の後ろでつまらなさそうにコーヒーを飲んでいる琥珀さんにも呼び掛けると。


「…そ」


大して興味が無いのか、彼は欠伸をして。


「ソファーに服乗っけんじゃねぇよ…」


舌打ちをして、階段へと繋がるドアを開けて何処かに行ってしまった。


「え、琥珀さん…?」


「大丈夫です。琥珀様はいつもあんな感じですので」


明らかに琥珀さんが怒っている感じがしたけれど、それにビビっていたのは私だけだった。


もう少し此処で生活したら、こんな事でいちいち怖がらなくなるのかもしれない。


「あんな事でいちいち気にしてたらキリが無くなるよ?そんな事より紫苑ちゃん、どうよこの服達は!全部笑美が選んだんだよ!ね?」


そんな私に、いつまでもテンションの高い大也さんが声を掛けてきた。
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