ママの手料理
「この間もこういう事ありましたよね。でもあの時は、紫苑さんと一緒に帰って来たから安心しましたけど」


お風呂から上がったのか、パジャマ姿でリビングに現れた航海が不思議な事を口にした。


「えっ?どういう事?」


私が尋ねると、


「あー…、たまに大也さんはふらっと居なくなる事があるんです。いっつも朝方までには帰って来るんですけど、スマホを持って行ってないのは初めてだと思います」


牛乳をコップに注ぎながら、彼は答えた。


「何処に行ってるのかは知らないの?」


「んー…分からないんですけど、でも多分、大也さんは毎回同じ場所に行ってる気がします。……確信は無いですけど」


親切にまた答えてくれた彼の隣では、


「大也ー、……お前のせいで僕は今日も寝れないじゃん!」


仁さんが大声を上げ、


「うるせぇ外行って凍死しろ」


今まさに寝ようと階段に続くドアを開けた琥珀さんが振り返り、鬼のような形相で仁さんに言い放った。


(大也、何処に行っちゃっ、た………あれ?)


大也のスマホと、視界の隅で何故かスクワットをし始めた航海をぼーっと見ていた私は、はっとある事に気が付いた。


(あの日、私と大也は公園で出会ったよね……?)


という事は、だ。


(もしかしたら、大也は公園に居るかも…!)
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