ママの手料理
だから私は、


「ねえ大也、もしかして何か悩んでるの……?」


そう聞いてみた。


「っ、………」


彼は、その瞬間に黙り込んで。


ああ、もうこれは絶対に図星だ。


けれど、私から問いただす事はしない方が良いだろう。


そう思っていると、


「………すこーし、ね。でも紫苑ちゃんには全く関係ないから安心して」


消え入りそうな声が返って来た。


(余計心配なんだけど)


今の彼は、私の方を見向きもしない。


ただ自分の中の何かと必死に闘っている様で、震えていて、いつもの明るい彼の奥深くに眠る弱さだったり壊れそうな部分が外に出ている。


「……それ、話してくれても良いんだよ?」


少しブランコを前後に揺らしながら、私は彼に向かって口を開いた。


「…あの日、私を助けてくれたのは大也でしょ?だから、今回は私が大也を助ける番…かな?」


ああ、我ながら何て恥ずかしい台詞なんだ。


「………いや、多分紫苑ちゃんには分からないと思うよ、」


「いや今は、分かるとか分からないとか関係ないんだってば」


地面を見つめたまま自信なさげに言う大也に、私は語気を強めた。


「話せばすっきりする事だってあるでしょ?……大丈夫だから、私を信じて」


「っ………!?」
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