ママの手料理
「………………え、……?」



耳を疑った。


男が男を好きになっている、という事で間違いないだろうか。


少し、というかかなり衝撃的で頭が追いついていない。


そういう人が居るのは知っていたし別に偏見はないけれど、まさかこんなに身近に居るとは。


「これがおかしいって、………俺が1番分かってるから」


私があんぐり口を開けて固まったのを見て、彼はまつ毛を震わせながら私に問うてきた。


「紫苑ちゃんは、LGBTQって言葉知ってる?」


悲しい事に無知な私に、彼は時折声を震わせながら説明してくれた。


LGBTQとは、性的少数者を表す言葉の頭文字を取ったもので、現在の日本にはそれに当てはまる人々は左利きの人と同じ位の割合で存在しているらしい。


Lは女性の同性愛者を指すレズビアン、Gは男性の同性愛者を指すゲイ、Bは両性愛者を指すバイセクシュアル、Tは身体と心の性が一致しないトランスジェンダー、Qは自分の性が分からなかったり決められないクィア。


そして、彼はどうやらその中でもゲイにあたるらしく。



「そ、うなんだ…。……因みに、誰の事が好きなの、?」


その簡単な説明で何となく納得した私は、恐る恐る聞いてみた。


「…琥珀」


(あ、琥珀…なんだ、)


けれど、まさかこんなに早く返答が来ると思わなくて、正直私は反応に困った。
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