ママの手料理
その直後に聞こえてきたのは、
「……こんなに寒い所に居ると、凍死しちゃいますよ…?」
前も聞いたことのある、あの台詞だった。
優しく響くその声は、ふわふわと私の身体の周りを漂う。
彼がふっと息を吐いたのが分かって、その直後にドアの方へ向かう足音が聞こえてきた。
彼の足音がどんどん遠ざかっていく。
「……んっ、…航海」
途端、私は彼にどうしても聞きたかった事を思い出し、がばっと起き上がって彼の名を呼んだ。
「?…あ、すみません紫苑さん。起こしてしまいましたか?」
開け放たれたドアの手前でくるりと振り返った航海はいつもの様にサングラスをかけていて、よく表情が読み取れない。
「ううん、毛布が暖かかったから起きただけ」
「…そうですか」
自分でもよく分からない言い訳を言ったからか、航海は腑に落ちない様な顔で頷いた。
「……ねえ」
そして、意を決した私は声を上げた。
「はい」
「もしも、航海が…mirageの皆が私の代わりにOASISの所に行って復讐をしたとして、そしたら、ちゃんと私の家族は報われるよね…?」
伊織によると、この家の中でみらい養護園出身者は4人居て、確か航海もその内の1人のはずだ。
「……こんなに寒い所に居ると、凍死しちゃいますよ…?」
前も聞いたことのある、あの台詞だった。
優しく響くその声は、ふわふわと私の身体の周りを漂う。
彼がふっと息を吐いたのが分かって、その直後にドアの方へ向かう足音が聞こえてきた。
彼の足音がどんどん遠ざかっていく。
「……んっ、…航海」
途端、私は彼にどうしても聞きたかった事を思い出し、がばっと起き上がって彼の名を呼んだ。
「?…あ、すみません紫苑さん。起こしてしまいましたか?」
開け放たれたドアの手前でくるりと振り返った航海はいつもの様にサングラスをかけていて、よく表情が読み取れない。
「ううん、毛布が暖かかったから起きただけ」
「…そうですか」
自分でもよく分からない言い訳を言ったからか、航海は腑に落ちない様な顔で頷いた。
「……ねえ」
そして、意を決した私は声を上げた。
「はい」
「もしも、航海が…mirageの皆が私の代わりにOASISの所に行って復讐をしたとして、そしたら、ちゃんと私の家族は報われるよね…?」
伊織によると、この家の中でみらい養護園出身者は4人居て、確か航海もその内の1人のはずだ。